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ここはコンサーティーナ入門・初心者・独学の方向けの情報サイト

コンサーティーナは日本ではふだん、見かけることの少ない楽器です。

コンサーティーナを取り出すと、アコーディオン 、バンドネオン ですかとよく聞かれます。
その形のかわいらしさから、アコーディオンと同等の蛇腹楽器との印象があり、さっそく購入して手に取る方も多いです。しかし、奏法がアコーディオンとは違い、残念ながら途中で手放す方もおられます。

そんな、コンサーティーナを始めたい・欲しい・続けたいと思っている、入門・初心者・独学の方向けの基本情報サイトです。

このサイトで知れること

  • 日本でコンサーティーナを始めたい時の基本情報
  • 日本で購入できるコンサーティーナの構造や注意点
  • 海外の状況

について書いています。

  • このサイトでコンサーティーナと書く場合
    • チャールズ・ホイートストンが発明した主に『六角形のコンサーティーナ』のことを示します。

著者について
gene

2003年にイングリッシュ・コンサーティーナ (Stagi 30ボタン)を入手。
以降、コンサーティーナが収蔵されている博物館を巡ったり、イベントを開催。
2019年にはイギリスのコンサーティーナ合宿に参加。

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コンサーティーナに関する代表的な情報サイト

日本語

詳しく掲載されていますので、ご覧ください。

海外

海外サイトには、より詳しい情報(歴史、当時の販売カタログ、教本、修理や製作まで)があります。

私も含め、英語であるために読まないのはもったいないです。

ぜひ機械翻訳にかけて読んでみてください。雰囲気も楽しいです。

大まかにいえば

Concertina;コンサーティーナは、笙(Sheng)を祖としています。
フリーリード(植物・金属片を振動させる)を発音装置として、蛇腹を押し引きさせて起こされる空気の流れを動力として演奏する「蛇腹三大楽器」の一つです。

Sir_Charles_Wheatstone_Wood_engraving-Wellcome_Collection
Sir.Charles Wheatstone ; Wood engraving, Wellcome Collection

1829年にイギリスの物理学者、チャールズ・ホイートストンがイングリッシュ・コンサーティーナを発明して特許を取得しました。
Wheatstone社を興し、そののち他のメーカーやディーラーも制作・販売をしていました。

Concertina

チャールズ・ホイートストンさんは
電信やステレオ・スコープ(立体視・VRの基礎)を発明した
身近な人なんです

博士

電気の抵抗を測定する、ホイートストンブリッジは高校の物理で扱われます。

特徴的なのはその形

基本の形は6角形、8角形、12角形です。


大きさは様々ですが「高さ20cm程度、蛇腹を横に伸ばして50cm程度、重さ1~2kg」くらいの楽器が一番普及しています。
これはコンサーティーナが発明された当初からほとんど変わっていません。

皆さん

形がかわいいし、小さいから買いました!

Concertina

そういう方が多いです

ボタンの配列が3種類ぐらいあります

イングリッシュ;English

イングリッシュ・コンサーティーナ 配列表 資料提供 加藤徹氏 改変 gene
イングリッシュ・コンサーティーナ 配列表 資料提供 加藤徹氏 改変 gene

アングロ;Anglo

アングロ・コンサーティーナ C/G 配列表 資料提供 加藤徹氏
アングロ・コンサーティーナ C/G 配列表 資料提供 加藤徹氏

デュエット;Duet

Stagi イングリッシュ・コンサーティーナ 48ボタン テナー
Stagi イングリッシュ・コンサーティーナ 48ボタン テナー
Bastari アングロ・コンサーティーナ 20ボタン
Bastari アングロ・コンサーティーナ 20ボタン CG調
Wheatstone クレーン デュエット・ コンサーティーナ 48ボタン
Wheatstone クレーン デュエット・ コンサーティーナ 48ボタン

形や発音の仕組みはどのキー配列でも同じです。
しかし、それぞれ奏法が異なるので「見た目はそっくりだけど違う楽器」として捉えたほうが良いかと思います。

Concertina

父母はSymphonium;シンフォニウム
同じく、チャールズ・ホイートストンが発明しました。
口で吹く、ボタンのついたハーモニカみたいなものです。

Symphonium;シンフォニウム / Horniman Museum & Gardens 蔵
Symphonium;シンフォニウム / Horniman Museum & Gardens 蔵
発明当初のイングリッシュ・コンサーティーナ
発明当初のイングリッシュ・コンサーティーナ内部 リード側
発明当初のイングリッシュ・コンサーティーナ ボタン周辺
The Metropolitan Museum of Art 蔵

Symphonium;シンフォニウムと特許取得当初のコンサーティーナの音色

YouTubeに1961年のコンサーティーナの製造風景と音色(2:35)からがありましたので紹介します。

起源の違うコンサーティーナ

あっ! バンドネオンですか?とよく聞かれますが、起源は違うんです。

博士

イギリスのコンサーティーナと、ドイツのコンサーティーナ、同じ名前で別々に発明された楽器があります。
ドイツのコンサーティーナはイギリスのコンサーティーナのキー配列に影響を与えました。

博士

さらにドイツのコンサーティーナからバンドネオンが生まれました。
ものすごく複雑です。

どんな姿勢で演奏するの?

座って膝の上に置いたり、立って演奏したり人それぞれです。
演奏時にキーは見ません。というより、見えません。
逆に言えばキーを見ないで演奏することが可能なので、目が不自由な方でも演奏できます(Play by Ear)。

弾きやすいキー配列ってあるの?

正直な話、演奏者と演奏する譜面によります。一つのキー配列を学ぶと他のキー配列を演奏できない人が多いようです。

コンサーティーナの制作と材料

コンサーティナの制作に必要なもの

  • 木材
  • 皮革
  • 金属

紙は製本、木材は家具制作、他には皮革・金属加工などの技術を基にしています。
自動車の製造のように、様々な技術と材料を用いてそれらを大量に加工する必要があります。

コンサーティーナの広がり

コンサティーナは世界各国に持ち込まれており、今では様々な国や地域で演奏されています。
その背景としては「19世紀イギリスの産業革命による楽器の量産化」「当時の植民地政策」「楽器自体の持ち運びのしやすさ」などが主な理由と考えられています。
また、植民国では、最初に持参した入植者が使用していた楽器のキー配列が主流になることもあるようです。

Concertina

ボリビア では鉄道や鉱山で働いていた外国の技術者がイングリッシュ・コンサーティーナを持ち込んだので、今でも主流となっています。

そういった国では歴史や楽器の博物館にぽろっと置いてあったりします。
日本では明治期に入ってから持ち込まれたという説が有力です。
薩摩藩士の村田新八(西郷隆盛の弟分)が風琴として持ち歩いていたシーンがいくつかの文学作品に描かれています。

コンサーティーナを買うには

どこで買えるか

コンサーティーナを演奏・入門したい時には楽器がないことには、はじまりません。

コンサルティーナを日本で買うには、蛇腹楽器を扱っている楽器店に置いてあるか、インターネットで「コンサーティーナ 購入」と検索すると、御茶ノ水、神田、渋谷、京都の店舗が出てきます。

日本で買える製品は新品のみ

これらの店舗で購入できるコンサーティーナは、Stagi/Bastariブランド、もしくは中国製とされた、新品のみです。
また、扱っているコンサティナの配列が異なります。

  • イングリッシュ・コンサーティーナ
    • 御茶ノ水、神田、各種通販
    • 基本は48ボタン Tenor(テナー)
      • 8万5000円から
  • アングロ・コンサーティーナ
    • 御茶ノ水、神田、京都(海外製品の新品)、各種通販
    • ボタンの数により4万円から
  • デュエット・コンサーティーナ
    • お茶の水の店舗で、稀にHayden Duetの配列のみ扱っているようです。

ヴィンテージのコンサーティーナは個人輸入

Wheatstone・Lachenal、他の海外メーカー製のヴィンテージのコンサーティーナを扱う店舗は日本にはありません。個人輸入する必要があります。

新品とアンティークのイングリッシュ・コンサーティーナ 提供 三浦みゆき氏
左からStagi(イタリア製) / Lachenal / Wheatstone のイングリッシュ・コンサーティーナ

コンサーティーナを買うときに注意すること

どの配列にするか

コンサーティーナを買うときに注意することは、「どの配列にするか」です。
前述したとおり、「配列によって全く異なる楽器」なので、人生が変わると言っても過言ではありません。

皆さん

形がかわいいし、小さいから買いました!

Concertina

という方が多く、どんな音楽を演奏したいか、把握しないでボタン数とキー配列を選ぶ場合があり、やりたい楽譜が演奏できないことがあります。

イングリッシュ・コンサーティーナ弾きなので他の配列はわからないですが、Keyは多いほうがいいかも。30ボタンでも様々な曲が演奏できます。
イングリッシュ・コンサーティーナはいいぞ。

どの配列を選んだらよいかは、一概に言えないです。
ピンときたものを。。。
私の場合はイングリッシュで半音が出るので、なんでも演奏できると聞いて選びました。

Concertina

デュエット・コンサーティーナは、見まわしただけで日本で数人しか演奏しておらず、教室もありません。独学です。始めたら第一人者です。

価格から購入する楽器を決めると、楽器の種類が変わる

コンサーティーナ、と検索して表示される販売サイトで、一番価格の安いものは3万円程度です。

ただし、そのコンサーティーナはおそらく「アングロ・コンサーティーナ、20ボタン」というものでしょう。
コンサーティーナのほかの配列である、「イングリッシュ・コンサーティーナ」または「デュエット・コンサーティーナ」を新品で3万円で購入することはできません。

確かに、何かを購入するとき、「まず価格」であることは間違いではありません。
しかし、コンサティーナを購入するときに価格で決めてしまうと、「楽器の種類が変わってしまう」ので特に注意が必要です。

個体によって違いがある

ギターやウクレレ、バイオリンなどと同じく、楽器なので個体によって違いがあります。
店舗で試奏はできるものの、在庫が1台から数台などと限られていたりします。通信販売で購入した場合は選べません。送られてきたもので、とにかく入門・練習してみてください。

構造上、蛇腹を操作して、リードを風で鳴らします。同じ音でも(2枚のリードを使って)、その時々で音がずれていて違うと感じるかもしれません。
チューニングがずれていると気づくときは、既に音楽をされているか、他の楽器と合わせたときが多いようです。チューニングがずれているからと言って、ずれている音のリードだけを直しても楽器全体としてよくなるかどうかは、わかりません。
このことは、新品やアンティークのコンサーティーナを購入した場合も同じです。世界で一つの個性のある品物です。

コンサーティーナへの入門・初心者の皆さんの腰を折りたくはないですが、最低でも数万円はする楽器です。
良く調べてから購入してください。

Concertina

ヴィンテージの楽器を購入するならば、その楽器は50年、100年以上前に作られたものです。
それは例えば、葛飾北斎の出版当時の版画を購入するものと同等と考え、次の世代につないでいくべき、文化財であるとの覚悟を持って購入していただきたいものです。

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