日本でコンサーティーナを購入するときの特殊な事情(1)

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Stagi イングリッシュ・コンサーティーナ 48ボタン テナー

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目次

日本で購入できるコンサーティーナ

日本ですぐに購入できるコンサーティーナは特殊な事情に置かれています。それについて掲載します。

この投稿は、特定の企業・団体・個人を誹謗するものではありません。
現状、日本でコンサーティーナを始めたい、初心者、入門、独学をしたい方、奏者が置かれている環境を知っていただき、より良くするために記載しています。

日本の楽器店で購入できるコンサーティーナは、主にStagi/Bastari/Gremlinというメーカーで販売されています。
取り扱い楽器店でStagi製、Bastari製、Gremlin製として分けて販売されています。

皆さん

あれ?
Stagi/Bastariとも、見た目が同じですけれど。

わかります?
そう。製造元は同じなんです。

Stagi/Bastari、中国製のコンサーティーナはOEM生産

 これは、工業化した製品にはよくあるOEM(相手先ブランドによる製造)という製造方法です。設計・製造は特定の会社で行っています。巨大スーパーの名前がついた餃子が、実は有名餃子メーカーの商品です、といったものです。
 コンサーティーナを卸売りするときに販売店の指定するブランド、Stagi/Bastari/Gremlinとして刻印や印刷を行って輸出します。

 Stagi/Bastari ブランドでコンサーティーナを定常的に生産しているのは、イタリアの CONCERTINE ITALIA という会社です。

https://www.concertineitalia.it/en/

博士

2019年当時は fabbricaconcertine という会社でした。

 写真のハーモニカやアコーディオンで有名なHOHNER アングロ・コンサーティーナ 20ボタンも、実は2006年頃にStagi(現fabbricaconcertine)でおそらく出荷されたものです。fabbricaconcertineは、初めはBastari/Stagiという家族で経営していた会社で、コンサーティーナの製造については1996年頃からの歴史があります。ほかにもケムニッツァ・コンサーティーナを製造していました。
 会社の買収等の変遷を経て2019年にfabbricaconcertineになりました。

Stagi/Bastari製コンサーティーナの価格

 最も高い価格は先の映像を掲載した、イングリッシュ・コンサーティーナ 56ボタン Tenor/Treble(Soprano)、14万円ほどです。

中国製とされるコンサーティーナ

楽器店には中国製とされるコンサーティーナも置いてあります。これは中国で製造、楽器店がどこかから仕入れて販売しています。流通経路は不明です。

中国の卸売会社のページを見つけました

http://www.songlinmusic.com/products_list/pmcId=97&pageNo_FrontProducts_list01-004=2&pageSize_FrontProducts_list01-004=18.html
2021年9月1日 サイト停止になっています

日本で販売される楽器としてのコンサーティーナの特殊な事情

下記の章で書いたとおり、日本で買える製品は新品のみ、そして店舗で購入できるコンサーティーナは、Stagi/Bastariブランド、もしくは中国製とされた、新品のみです。

https://concertina.pinefield.asia/#index_id9

コンサーティーナの特性について、楽器店が正しく理解して販売しているかどうか、必ず確認してください。
奏法システム、ボタンの数、できることとできないこと、掲載写真がそのコンサーティーナにとって正しい状態かどうか等

奏法システムについて、どれかが専門の場合、他のシステムについてはわからないことが多いです。
私はイングリッシュ・コンサーティーナを演奏しますが、他のシステムについてはわかりません。
コンサティナは、奏法システムが違うと全く違う楽器です。

Stagi/Bastari、中国製のコンサーティーナは海外では入門用

海外では、Stagi/Bastari、中国製のコンサーティーナ、は「入門用のコンサーティーナ」でしばらくしたら「次のコンサーティーナ」に乗り換えたほうがイイよね、と言った感じで捉えられています。
また、Stagi/Bastari、中国製のコンサーティーナには、設計上の課題があることも捉えられ方の一因です。

海外では「次のコンサーティーナ」、つまりは他メーカーの新品を注文したり、ヴィンテージのコンサーティーナが潤沢に流通しています。
なかにはStagi/Bastari製コンサーティーナを買わずに、中古で同じ価格のヴィンテージのコンサーティーナを買う方もいます。

Stagi/Bastari、中国製のコンサーティーナは日本での入門用かつ最高級機種

繰り返しますが、日本ではStagi/Bastari、中国製のコンサーティーナが容易に購入できます。

博士

しかし!!

日本では「次のコンサーティーナ」他メーカーの新品注文やヴィンテージのコンサーティーナが容易に買えません。

博士

日本ではStagi/Bastari製コンサーティーナが最高級機種と言っても過言ではない状況です。

皆さん

一生ものだと思って、続けられるかわからない状態で10万円以上出して購入するのに、入門機種しか簡単に買えないとは。

博士

一方で、fabbricaconcertine 社 が Stagi/Bastari 製のコンサーティーナ を定常的にある程度安価に生産しているので、日本で手に入る面もあります。

わたしはStagi イングリッシュ・コンサーティーナ 30ボタンを2002年に買って、特に不満もありませんでした。

でも最近、コンサーティーナについて興味を持つ方が増え、Stagi/Bastari製コンサーティーナや他の機種のトラブルの報告が増えていて、この記事を書いています。

Stagi/Bastari、中国製のコンサーティーナで十分かもしれない

私が15年、他の海外製コンサーティーナを買うこともなかった理由は、私の用途ではそれで十分だったからです。

博士

Stagi/Bastari、新品やヴィンテージでも、使ううちに多少の不具合が出てくることが、海外のコンサーティーナ奏者の皆さんにとっては周知の事実です。
それを承知の上で購入、修理しながら使っています。

博士

別の投稿でStagi/Bastari、中国製のコンサーティーナの設計上の課題や毎日数時間稽古したり、頻繁に扱うことによって生じる不具合について掲載します。

安いコンサーティーナを購入する時

 安いとされる新品や、中古のコンサーティーナを購入するときには、それがどんなボタン配列のコンサーティナなのか、きちんと調べましょう。

 価格が安いので入門用というわけではありません。

 往々にして「イングリッシュ・コンサーティーナ」と記載されていて「アングロ・コンサティナ」だったり、その逆だったり、または主に外見が長方形で配列とボタン数の異なる、「ケムニッツァ・コンサルティーナ」だったりします。

 

Concertina

自分の用途に合致していないと、自分にとっても楽器にとっても悲しい結果が待っています。

大切なことなのでもう一度。
1万円台から買えて、安いコンサーティーナだから購入するって考えはどうかと思います。入門用というわけでもありません。ボタン配列のことを調べましょう。

博士

コンサーティーナのボタン配列や奏法システムのことを、きちんと調べましょう。価格が安いからといって、ボタン配列は高価な製品と変わりませんし、入門用、初心者向けなのは価格と内部構造だけです。

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