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日本でコンサーティーナを購入するときの特殊な事情(1)
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目次
日本で購入できるコンサーティーナ
日本ですぐに購入できるコンサーティーナは特殊な事情に置かれています。それについて掲載します。
この投稿は、特定の企業・団体・個人を誹謗するものではありません。
現状、日本でコンサーティーナを始めたい、初心者、入門、独学をしたい方、奏者が置かれている環境を知っていただき、より良くするために記載しています。
日本の楽器店で購入できるコンサーティーナは、主にStagi/Bastari/Gremlinというメーカーで販売されています。
取り扱い楽器店でStagi製、Bastari製、Gremlin製として分けて販売されています。
皆さん
あれ?
Stagi/Bastariとも、見た目が同じですけれど。
わかります?
そう。製造元は同じなんです。
Stagi/Bastari、中国製のコンサーティーナはOEM生産
これは、工業化した製品にはよくあるOEM(相手先ブランドによる製造)という製造方法です。設計・製造は特定の会社で行っています。巨大スーパーの名前がついた餃子が、実は有名餃子メーカーの商品です、といったものです。
コンサーティーナを卸売りするときに販売店の指定するブランド、Stagi/Bastari/Gremlinとして刻印や印刷を行って輸出します。
Stagi/Bastari ブランドでコンサーティーナを定常的に生産しているのは、イタリアの CONCERTINE ITALIA という会社です。
https://www.concertineitalia.it/en/
博士
2019年当時は fabbricaconcertine という会社でした。
写真のハーモニカやアコーディオンで有名なHOHNER アングロ・コンサーティーナ 20ボタンも、実は2006年頃にStagi(現fabbricaconcertine)でおそらく出荷されたものです。fabbricaconcertineは、初めはBastari/Stagiという家族で経営していた会社で、コンサーティーナの製造については1996年頃からの歴史があります。ほかにもケムニッツァ・コンサーティーナを製造していました。
会社の買収等の変遷を経て2019年にfabbricaconcertineになりました。
Stagi/Bastari製コンサーティーナの価格
最も高い価格は先の映像を掲載した、イングリッシュ・コンサーティーナ 56ボタン Tenor/Treble(Soprano)、14万円ほどです。
中国製とされるコンサーティーナ
楽器店には中国製とされるコンサーティーナも置いてあります。これは中国で製造、楽器店がどこかから仕入れて販売しています。流通経路は不明です。
中国の卸売会社のページを見つけました
http://www.songlinmusic.com/products_list/pmcId=97&pageNo_FrontProducts_list01-004=2&pageSize_FrontProducts_list01-004=18.html
2021年9月1日 サイト停止になっています
日本で販売される楽器としてのコンサーティーナの特殊な事情
下記の章で書いたとおり、日本で買える製品は新品のみ、そして店舗で購入できるコンサーティーナは、Stagi/Bastariブランド、もしくは中国製とされた、新品のみです。
https://concertina.pinefield.asia/#index_id9
奏法システムについて、どれかが専門の場合、他のシステムについてはわからないことが多いです。
私はイングリッシュ・コンサーティーナを演奏しますが、他のシステムについてはわかりません。
コンサティナは、奏法システムが違うと全く違う楽器です。
Stagi/Bastari、中国製のコンサーティーナは海外では入門用
海外では、Stagi/Bastari、中国製のコンサーティーナ、は「入門用のコンサーティーナ」でしばらくしたら「次のコンサーティーナ」に乗り換えたほうがイイよね、と言った感じで捉えられています。
また、Stagi/Bastari、中国製のコンサーティーナには、設計上の課題があることも捉えられ方の一因です。
海外では「次のコンサーティーナ」、つまりは他メーカーの新品を注文したり、ヴィンテージのコンサーティーナが潤沢に流通しています。
なかにはStagi/Bastari製コンサーティーナを買わずに、中古で同じ価格のヴィンテージのコンサーティーナを買う方もいます。
Stagi/Bastari、中国製のコンサーティーナは日本での入門用かつ最高級機種
繰り返しますが、日本ではStagi/Bastari、中国製のコンサーティーナが容易に購入できます。
博士
しかし!!
日本では「次のコンサーティーナ」、他メーカーの新品注文やヴィンテージのコンサーティーナが容易に買えません。
博士
日本ではStagi/Bastari製コンサーティーナが最高級機種と言っても過言ではない状況です。
皆さん
一生ものだと思って、続けられるかわからない状態で10万円以上出して購入するのに、入門機種しか簡単に買えないとは。
博士
一方で、fabbricaconcertine 社 が Stagi/Bastari 製のコンサーティーナ を定常的にある程度安価に生産しているので、日本で手に入る面もあります。
わたしはStagi イングリッシュ・コンサーティーナ 30ボタンを2002年に買って、特に不満もありませんでした。
でも最近、コンサーティーナについて興味を持つ方が増え、Stagi/Bastari製コンサーティーナや他の機種のトラブルの報告が増えていて、この記事を書いています。
Stagi/Bastari、中国製のコンサーティーナで十分かもしれない
私が15年、他の海外製コンサーティーナを買うこともなかった理由は、私の用途ではそれで十分だったからです。
博士
Stagi/Bastari、新品やヴィンテージでも、使ううちに多少の不具合が出てくることが、海外のコンサーティーナ奏者の皆さんにとっては周知の事実です。
それを承知の上で購入、修理しながら使っています。
博士
別の投稿でStagi/Bastari、中国製のコンサーティーナの設計上の課題や毎日数時間稽古したり、頻繁に扱うことによって生じる不具合について掲載します。
初心者・入門・独学者向けのコンサーティーナの構造
日本で容易に購入できる初心者・入門・独学者向けのコンサーティーナの構造 日本の楽器店で購入できるコンサーティーナは、主にStagi/Bastari/Gremlinというメーカー、…
安いコンサーティーナを購入する時
安いとされる新品や、中古のコンサーティーナを購入するときには、それがどんなボタン配列のコンサーティナなのか、きちんと調べましょう。
往々にして「イングリッシュ・コンサーティーナ」と記載されていて「アングロ・コンサティナ」だったり、その逆だったり、または主に外見が長方形で配列とボタン数の異なる、「ケムニッツァ・コンサルティーナ」だったりします。
Concertina
自分の用途に合致していないと、自分にとっても楽器にとっても悲しい結果が待っています。
大切なことなのでもう一度。
1万円台から買えて、安いコンサーティーナだから購入するって考えはどうかと思います。入門用というわけでもありません。ボタン配列のことを調べましょう。
博士
コンサーティーナのボタン配列や奏法システムのことを、きちんと調べましょう。価格が安いからといって、ボタン配列は高価な製品と変わりませんし、入門用、初心者向けなのは価格と内部構造だけです。