コンサーティーナの構造

目次

コンサーティーナ各部の名前

コンサーティーナの形

コンサーティーナの外観は、6角形、8角形、12角形を基本としています。6角形が一般的です。
角柱の一辺の数はイングリッシュ・アングロ・デュエット・コンサーティーナでの差異はありません。いろいろあります。

概略

  • End;エンド
    ストラップ(ベルト)、ボタン、アクションボックスがある部分の総称。
    • Strap;ストラップ(ベルト)
      • イングリッシュ・コンサーティーナ
        親指を通し、エンド下部の金属製の部品に小指をひっかける。
      • アングロとデュエット・コンサーティーナ
        手のひらを通す。小指はボタンを押すのに使える。
  • Action Box;アクションボックス
    ボタンを動かす、アクション;発音機構のパッド・リードが収まっている。
    • Button;ボタン
      ボタンを押すとアクションが動き、蛇腹の操作と組み合わせて発音する。
    • Reeds Block;リードブロック
      発音部品であるパッド、リードが収まっている。
    • Reed;リード
      コンサーティーナが発音するための重要部品。
    • Pad;パッド
      アクションボックスとリードブロックにあけた穴を塞いだり閉じたりする弁。
  • Bellows;蛇腹
    • エンドとエンドの間にある、木材・革・紙・でできた谷折り山折りの部品で、リードの発音に必要な空気を送り出す。

End;エンド

コンサーティーナ全体
イングリッシュ・コンサーティーナのエンドと蛇腹
イングリッシュ・コンサーティーナのエンドと蛇腹

木製や金属製のエンド

コンサーティナのEnd;エンドには、木製のウッドエンド金属製のメタルエンドがあります。音質に影響すると言われています。 

Flet Work;フレットワーク 

 ほとんどの場合、Flet Work;フレットワークとして、唐草模様が彫られています。
 唐草模様の下には、Buffle;バッフルと呼ばれる穴の開いた紙、または布が貼られていることがあります。その場合、中のアクションが動く様子は見えません。
 Buffle;バッフルは、外部からのゴミ除けや、音を少々まろやかにすることが目的とされています。バッフルのないコンサティナもあります。所有者の好みによるところが多いようです。

Buffle;バッフルがなかった?コンサーティーナの内部に馬の脚が!!

メーカーのロゴ 

 エンドにはメーカーのロゴが筐体に印刷・彫刻されたり、エンドに開けた楕円形の所にラベルや金属板が貼られています。ヴィンテージのコンサーティーナには、S/N;シリアルナンバー:製造番号が書いてあるものもあります。

S/N;シリアルナンバー:製造番号

 S/N;シリアルナンバー:製造番号はWheatstone社製の場合、当時の出荷記録が残っていて、何年何月何日に出荷されたかがわかります。Lachenal社製の場合、出荷記録は焼失しています。S/Nから計算で出荷年を推測できるとされています。しかし、正確ではないとの説もあります。

 発明当初のコンサーティーナに、アクションを覆う役割のエンド(カバー)はなく、むき出しでした。

発明当初のイングリッシュ・コンサーティーナ
発明当初のイングリッシュ・コンサーティーナ内部 リード側
発明当初のイングリッシュ・コンサーティーナ ボタン周辺
The Metropolitan Museum of Art 蔵

使用される木材 

 ウッドエンドの場合、使用される木材は合板・Ebony(黒檀)Rosewood(紫檀)Amboyna(花梨瘤)パープルハートなどです。Ebonized(黒檀風)に黒く着色したものがあり、判別は難しいです。まれにtortoise shell;べっ甲 です、と出てきますが真偽は定かではありません。
 これらの木材の一部は、CITES;ワシントン条約で、輸入が制限・申請が必要です。

Strap;ストラップ(ベルト)

ングリッシュ・コンサーティーナ

親指を通し、エンド下部の金属製の部品に小指をひっかけます。

アングロとデュエット・コンサーティーナ

手のひらを通します。小指はボタンを押すのに使えます。

Action Box;アクションボックス

 Action Box;アクションボックスは、ボタンを動かす、アクション;発音機構のパッド・リードが収まっています。

入門・初心者向けのコンサーティーナ (Stagi/Bastari/中国製)のアクション

 アルミニウム板を加工したものが多いです。”てこ”の支柱はカンヌキが通っています。ボタンは内部で宙に浮いていて、ボタンを押すと底打ちしません。
 構造的にはドイツ由来のジャーマン・コンサーティーナを参考にしていると考えられます。
 発明当初のコンサーティーナも、ボタンは宙に浮いていました。その後改良がくわえられたようです。

Wheatstone社製のコンサーティーナのアクション

 “Riveted;リベット留め”アクションと呼ばれています。”てこ”の支柱となる板に金属板をRiveted;リベットで固定しています。ボタンを押すと底打ちします。

Lachenal社製のコンサーティーナのアクション

 “Hooked;フックド”アクションと呼ばれています。”てこ”の支柱となる板に穴をあけ、金属棒をひっかけるように通して固定しています。ボタンを押すと底打ちします。

皆さん

アクションごとに特徴はあるんですか?

博士

Stagi/Bastari/中国製のアクションは、構造的問題でトラブルが多い。

博士

Wheatstone社製 “Riveted;リベット留め”アクションの感触は軽め。

博士

Lachenal社製 “Hooked;フックド”アクションの感触はしっかり押す感じ。

Concertina

Wheatstone社製 “Riveted;アクション”がベストという人、
Lachenal社製 “Hooked;フックド”アクションがイイという人、どちらもいます。

Button;ボタン

 ボタンを押すとアクションが動き、蛇腹の操作と組み合わせて発音します。

ボタンの材質 

 ボタンの材質は骨、金属(芯は木製)、ガラスなどがあります。 

Felt bush;フェルト・ブッシュ

 赤いフェルトがボタンの周り、ボタンの軸の下部に巻いてあることがあります。この部品はFelt bush;フェルト・ブッシュといいます。ボタンを横ブレせずに真下に下降させる、ボタンがエンドにあたってカチャカチャ音が鳴るのを防ぐ役割があります。ヴィンテージの中級機種以上についていることが多いです。

Reeds Block;リードブロック

 Stagi/Bastari/中国製はロウやネジで止めたリードの下に気室があります。
 ヴィンテージ・コンサチナの場合、放射状や四角形に区切られた気室で作られています。

Reeds;リードの種類

 現代のコンサーティーナメーカー、Stagi/Bastari/中国製はアコーディオン・リードを使っています。
 Wheatstone社・Lachenal社、現代のコンサーティーナメーカーの一部で、紡錘形のコンサーティーナ・リードを使っています。

Pads;パッド

 パッドはボタンにつながる金属棒に取り付けた、紙・皮革製の円盤です。
 アクションボックスとリードブロックにあけた穴を塞いだり閉じたりする弁です。

Bellows;蛇腹

 コンサーティーナを鳴らすには、空気の力が必要です。その動力となるのが紙と皮革で作られた、Bellows;蛇腹です。
 Bellows;蛇腹は、エンドとエンドの間にある、木材・革・紙でできた谷折り山折りの部品で、リードの発音に必要な空気を送り出します。Bellows;蛇腹を最大まで伸ばすと、約30cm程度になります。

蛇腹の枚数

 蛇腹は発明当初は、山折りになる箇所が4枚、5枚から6枚が標準的です。アングロ・コンサーティーナでは12枚などがあります。蛇腹の枚数を増やすと、発音できる空気圧の量が増えて発音時間を長くできます。
 アングロ・コンサーティーナの場合は押し引き異音のために、蛇腹の枚数が多く、長く発音させるために増やしたと考えられます。

 蛇腹にはBellow Paper;ベローズ・ペーパーという、メーカー独特の模様が印刷された紙が貼られていることがあります。

コンサーティーナを制作するに様々な技術が必要

以上の部品がコンサーティーナの各部を形作っています。

それぞれの部品を作るには、木材・革・紙・金属を様々な状態に加工する技術が必要です。
自動車を作るような、総合的な工業製品だと言えます。

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この記事を書いた人

2003年にイングリッシュ・コンサーティーナ (Stagi 30Key)を入手。
以降、コンサーティーナが収蔵されている博物館を巡ったり、イベントを開催。
2019年にはイギリスのコンサーティーナ合宿に参加。

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